python初心者です。Macでブラウザ操作の自動化をしたいです。調べてみるとseleniumというライブラリーを使うらしいのですが、よく分かりません。初心者でも、簡単なやり方はないのでしょうか?
こんな疑問を解決します。
記事の内容
- seleniumを使うには環境構築が必要
- seleniumの使い方
記事の信頼性
この記事を書いている僕は、副業に励む、社会人3年目の医療従事者です。pythonのseleniumで、副業の作業を半自動化にすることができました。
今回は、『Macでpythonのseleniumを使う手順』について、解説していきます。
初心者の方でも、分かりやすいように説明していきますので、安心してくださいね( ^∀^)
私自身、pythonを学習して、まだ1年も経っていません。ですが、初心者だからこそ、つまづくポイントが分かると思います。
この記事で、seleniumのインストールから実行まで、できるようになりましょう!!
前置きはさておきですね。
では、いきましょう( ゚д゚)
seleniumを使うには環境構築が必要
結論、seleniumを使うには、 pythonをインストールするだけでは使えません!
環境構築が必要になります。
環境構築ってなに??
イメージとしては、野球をするのには、バットとグローブなどの道具が必要になると思います。そういった道具を管理しておく環境を作成することです。
つまり、「selenium」等のライブラリーを使用するための環境を作成します。
インターネット上では、いくつかの方法がありますが、この記事では、selenium以外のライブラリーも簡単に使用する方法についてご紹介します。
下記が必要な手順です。
- Homebrewをインストール
- Miniforgeをインストール
- 仮想環境を作成
- 作成した仮想環境にseleniumをインストール
- VSCodeをインストール
- 補足:Pythonのインストール
コチラの手順は、「【M1 Pro/Max対応】M1 Mac環境構築ベストプラクティス」様の記事を参考にさせてもらいました。
それでは、一つずつ解説していきます。
Homebrewをインストール
まずは、Homebrewをインストールしてください。
Homebrewとは?
パッケージマネージャーと呼ばれるもので、pythonなどのソフトウェアの管理やインストールを一括で行うことができるソフトです。
インストールは下記の手順です。
- シェルコマンドをコピーする。
- ターミナルで実行する。
- インストールが正しく行われたか確認する
シェルコマンドをコピーする。
Homebrew公式サイトにアクセスし、シェルコマンドをコピーします。
赤丸のところで、コピーできます。
ターミナルで実行する。
コピーをしたら、ターミナルで実行します。
ターミナルは、「Launchpad」の「その他」の項目の中にあります。
ターミナルを開いて、コピーしたシェルコマンドを貼り付け、Enterを押して実行します。
すると、管理者パスワードの入力が求められるので、OSのユーザーパスワードを入力します。
インストールが完了すると「Installation successful!」というメッセージが表示されます。
インストールが正しく行われたか確認する
以下のコマンドをターミナルで実行し、Homebrewが正しくインストールされたことを確認します。
brew --version
下記のように、「Homebrew+バージョン」が表示されると、正常にインストールができています。
Miniforgeをインストール
Miniforgeとは、Condaベースのパッケージ管理ツール「Miniconda」の軽量版です。
Condaってなに?
パッケージ管理ってなに?
上記のような疑問を持つ方のために、簡単に説明すると…
※解釈が間違っていたらすみません。
Pythonでプログラミングする際に必ず使うのが「ライブラリー」というものです。「ライブラリー」とは、特殊な機能を持った関数やクラスを一つにまとめたものです。
「selenium」も、ライブラリーの一つです。そして、そのライブラリーを管理するためにMiniforge等のパッケージ管理ツールが必要です。
つまり、今回使用する「selenium」などのライブラリーをインストールするのに、Miniforgeが必要です。
Macでは、多くの記事でパッケージ管理ツールに「Miniforge」が望ましいと記載されています。
では、Miniforgeのインストール方法は以下の手順です!!
- インストーラをダウンロード
- ターミナルを使用しインストーラを実行
- Miniforgeの環境を有効化する
- インストール確認
インストーラをダウンロード
MiniforgeのGitHubページにアクセスし、画像(赤丸)のMiniforge3-MacOSX-arm64をダウンロードします。
ダウンロードが完了すると、次の工程です。
ターミナルを使用しインストーラを実行
1、ターミナルを開く
2、ターミナルに下記のシェルコマンドを入力し、ダウンロードディレクトリに移動
cd ~/Downloads
通常、インストーラはDownloadsフォルダに保存されるため、次のコマンドで移動できます。
3、インストーラに実行権限を与える
ダウンロードしたスクリプトに実行権限を付与する必要があります。ターミナルに下記のシェルコマンドを入力
chmod +x Miniforge3-MacOSX-arm64.sh
(Intel Macの場合はMiniforge3-MacOSX-x86_64.sh
のファイル名を使用してください)
4、インストーラを実行
次に、インストールスクリプトを実行します。ターミナルに下記のシェルコマンドを入力
./Miniforge3-MacOSX-arm64.sh
スクリプトが実行され、ライセンスに同意するかどうか尋ねられます。「yes」と入力してEnterキーを押します。
そのほかにも色々と聞かれますが、全部「yes」と入力して下さい。
5、インストール先の指定
インストールするディレクトリを指定できますが、通常はデフォルトの場所(~/miniforge3
)をそのまま使用しEnterを押します。
Miniforgeの環境を有効化する
インストールが完了したら、ターミナルを一度閉じてから開き直します。
以下のコマンドでcondaを有効化し、(base)
と表示されれば成功です
conda activate
これで、Conda環境が使えるようになります。
インストール確認
最後に、Miniforgeが正しくインストールされたか確認するため、次のコマンドを実行します。
conda --version
インストールが成功していれば、Condaのバージョンが表示されます。
仮想環境を作成
これまで手順通りに実行してくれた方であれば、ターミナルで(base)がついているはずです。下記の画像参照
この (base)がついている環境をベース環境と言います。ですが、このベース環境ではなく、新たに別の環境を作成する必要があります。
その理由は、トラブルが発生したときに簡単に環境をリセットできるからです。
仮想環境を使えば、問題が起きても仮想環境を削除し、すぐに新しい仮想環境を作り直せます。これにより、システム全体をリセットする必要がありません。
仮想環境の作成手順は下記の通りです!!
- 仮想環境を作成する
- 仮想環境の確認
仮想環境を作成する
以下のコマンドでPython3.10の仮想環境を作成します。
conda create --name 仮想環境名 python=3.10
※「仮想環境名」の部分は分の好きな名前に変更して下さい(例:abc)
仮想環境の確認
作成した仮想環境名が存在することを確認します。
以下のコマンドで環境が表示できます。
conda env list
下記の画像のように表示されるはずです。この中に、作成した環境があれば完成です。
作成した仮想環境を有効化する
最後に、作成した仮想環境を有効化します。
以下のコマンドで、実行します。
conda activate 仮想環境名
有効化すると、(base)→(仮想環境名)に変更されます。
万が一、トラブルなどで仮想環境を削除したいときは、以下のコマンドで削除できます。
conda remove -n 仮想環境名 --all
作成した仮想環境にseleniumをインストール
いよいよ、仮想環境にseleniumをインストールします。
(base)→(仮想環境)に変わっていることを確認して下さい。
下記のコマンドでインストールできます。
conda install selenium
インストールできたかの確認は、以下のコマンドです。
conda list
ライブラリーの一覧が表示されます。seleniumがあればインストールできています。
これで、seleniumが使用できます。
WebDriverのダウンロード
Seleniumはブラウザを操作するためにWebDriverが必要です。
HomebrewからChromeDriverをインストールします。
以下のコマンドを入力して下さい!
% brew install --cask chromedriver
実行が完了すると、『chromedriver was successfully installed!』と表示されます。
% brew install --cask chromedriver
==> Downloading https://chromedriver.storage.googleapis.com/98.0.4758.80/chromedriver_mac64_m1.zip
######################################################################## 100.0%
==> Installing Cask chromedriver
==> Linking Binary 'chromedriver' to '/opt/homebrew/bin/chromedriver'
🍺 chromedriver was successfully installed!
また、以下のコマンドでchromedriverがインストールできたか確認できます。
brew list
下記のように表示されればOKです。
(base) user ~ % brew list
==> Casks
chromedriver
(base) user ~ %
VSCodeをインストール
VSCode(Visual Studio Code)とはソースコードエディタです。
簡単にいうと、プログラミングのコードを書いて実行するツールです!Python以外のプログラミング言語も使用できます。
VSCodeのインストール手順は下記の通りです。
- Homebrew
Homebrewを利用してインストールします。ターミナル内で下記のコマンドを入力して下さい。
brew install --cask visual-studio-code
インストールが完了すると、Finderの「アプリケーション」フォルダーにVSCodeが生成されます。
VSCodeの使用方法
作業用のファイルを作成します。
VSCodeを開いて、「フォルダーを開く」を押します。
「新規フォルダー」を押します。
以下のファイルを作成します。
test.py
最後の拡張子(.py)をつけることでpythonで書かれたプログラムということをコンピュータが認識します。
VSCodeへの仮想環境の適用
作成した仮想環境にVSCodeからアクセスできるようにします。
VSCodeを開いて、右下にPython 3..」と表示されている部分があります。これをクリックすると、出てきた項目から「Enter interpreter path」を選択します。
/Users/******/miniforge3/envs/仮想環境名/bin/python
※「******」の部分はユーザ名が入ります。
赤丸部分が、仮想環境名に変わっていれば成功です。
補足:Pythonのインストール
Macでは、pythonがデフォルトであるため、別途インストールする必要はありません。
ですが、念のためにデフォルトのPythonがインストールされているか確認します。
ターミナルで、下記コマンドを入力して下さい。
which python3
帰ってきたパスが/usr/bin/python3であればデフォルトのPythonがインストールされています。
これで環境構築が完了しましたね!
次は、Seleniumを実際に使用してみましょう!
Seleniumの使い方
環境構築ができたら、次はSeleniumでブラウザの自動操作を行ってみましょう!
下記のプログラムをコピーして、test.pyに貼り付けて下さい!
ブラウザ自動操作の一例
from selenium import webdriver
from selenium.webdriver.common.keys import Keys
import time
from selenium.webdriver.common.by import By
# ChromeDriverのパスを指定してブラウザを起動
driver = webdriver.Chrome()
# Googleのページにアクセス
driver.get("https://www.google.com")
# 検索ボックスを見つけて検索キーワードを入力
search_box = driver.find_element("name", "q")
search_box.send_keys("Selenium Python")
search_box.send_keys(Keys.RETURN)
# 検索結果が表示されるまで少し待つ
driver.implicitly_wait(5)
# ページ遷移後、少し待機してからタイトルを取得
time.sleep(3)
# 検索結果のタイトル(<h3>タグ)を全て取得
titles = driver.find_elements(By.TAG_NAME, "h3")
# 取得したタイトルを表示
for i, title in enumerate(titles):
print(f"{i+1}: {title.text}")
# ブラウザを閉じる
driver.quit()
このコードでは、Chromeブラウザを使ってGoogleの検索ページにアクセスし、検索キーワード(今回はSelenium Python
)を入力して、Googleの検索結果のタイトルがリスト形式で表示されます。
ターミナルに、こんな感じに表示されるとOKです。
実際に動画にすると、こんな感じです。
できましたか??
できないよぉ〜
動かない・エラーメッセージが出る方は、以下を確認してみて下さい。
まずは、こちらで確認してみましょう。
この辺で、「私にはプログラミングは無理だ😭」と感じる人がいると思います。そんな方は、「【挫折】プログラミング副業は独学では難しい理由【実体験あり】」も読んでみて下さい。
まとめ
今回は、『Macでpythonのseleniumを使う手順【初心者でも簡単な環境構築】』というテーマで、解説していきました。
Seleniumは、Webブラウザを自動化して操作するための強力なツールです。
しかし、その利用には環境構築が必要です。そして、環境構築では工程が多く、難しく感じるかもしれません。
とはいえ、一度ブラウザの自動操作ができるようになると、日々の単調な作業を大幅に効率化できます。
大量のデータ収集やフォーム入力の自動化など、時間がかかる作業を数秒でこなせると、大きな時間の節約になりますよね。
コツコツと学び続けていけば、必ず成果が見えてきますので、焦らずに取り組んでいきましょう!
応援しています。
というわけで、今回は以上です!
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