JIS T 1022が改正されたけど、何が変わるの?
そもそもJIS T 1022ってなに??
こんな疑問を解決します。
まずは、この記事の結論です。
- JIS T 1022が2023年に改正される。(JIS T 1022:2023)
- 主な変更点は、特別非常電源がなくなる。
- ME1種・2種、国家試験などの内容に影響する。
- 病院電気設備の安全基準(JIS T 1022)ってなに?
- JIS T 1022:2023が改正された内容
- JIS T 1022:2023が改正された理由
- 臨床工学技士として、総合病院に勤務中。
- 臨床ME専門認定士。
この記事を書いている僕は、社会人3年目の臨床工学技士です。
今回は、『病院電気設備の安全基準(JIS T 1022)の改正・変更点まとめ』というテーマで、解説していきます。
今回の改正で、主な変更点は特別非常電源が削除されたことです。
この改正に伴い、大きな影響を受けるのは臨床工学技士を目指す学生さんだと思います。
病院電気設備の安全基準(JIS T 1022)は養成校で学習する範囲ですもんね。
時間がない方は、それだけ覚えてもらったら大丈夫です!
ですが、『JIS T 1022ってなに??』『今回なぜ変更されたの??』
と疑問に思う方は、是非ご覧下さい!
前置きはさておきですね。
では、いきましょう( ゚д゚)
病院電気設備の安全基準(JIS T 1022)ってなに?
JIS T 1022とは、以下のように説明されています。
医用電気機器などの使用上の安全の確保のために、病院、診療所などに設ける電気設備のうち、医用接地方式、非接地配線方式、非常電源および医用室の電源回路に対する安全基準を規定するものである。
つまり、ME機器を安全に使用するための電気設備の安全基準です。
また、JIS T 1022に法的強制力はありません。
理由は、JIS T 1022が法令の技術基準などに引用されていないからです。
JISとは、下記のように定義されています。
JIS(日本産業規格)とは、我が国の産業標準化の促進を目的とする産業標準化法(昭和24年法律第185号。以下単に「法」という。)に基づき制定される任意の国家規格です。
なお、JISが法令の技術基準などに引用される場合には、その法令などにおいて強制力を持つことになります。
ですので、病院の考え方、経済的理由で行わなくても、罰則はありません。
あくまで、ME機器を安全に使用するためのものです。
ただ、臨床工学技士としては、JIS T 1022をしっかりと理解することが重要です。
理解することで病院電気設備を新築・増設する際に、JIS T 1022の規定を踏まえた提案をすることができます。
また、病院の経営状況やコスト面を踏まえた提案をすることもできるようになります。
JIS T 1022:2023が改正された内容
結論、改正により、特別非常電源が削除されました。
そのため、JIS T 1022:2023から、非常電源の種類は2つになります。
非常電源 | 電源の立ち上がり時間 | コンセント色 |
---|---|---|
一般非常電源 | 40秒 | 赤 |
無停電非常電源 | 0秒(停電時しない) | 緑 |
コンセントの色だけで区別できるようになりました。分かりやすくなりましたね。
JIS T 1022:2023が改正された理由
改正された大きな理由は、下記の2つです。
- 多くの医療機関で一般非常電源と特別非常電源の両方が設備していない。
- ME機器を使用する際の選択に影響を与えないから。
詳しく理由を知りたい方は、下記の本(クリニカルエンジニア)を是非読んでみて下さい!
まとめ
今回は、JIS T 1022の改正内容について解説しました!
改正内容が分かったと思います。
特別非常電源が無くなったことは、必ず覚えておきましょう!
ME2種やME1種、国家試験など、CEを目指す学生の方であれば、JIS T 1022の知識は必須です。
今回は以上です!
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