大学生です。臨床工学技士を目指してます。でも、臨床工学技士のは「将来性がない」「オワコン」というネット記事を見かけます。本当にそうなのか、実際に働いている臨床工学技士の意見が知りたいです。
こんな疑問を解決します。
まず、この記事の結論ですが、臨床工学技士は必要です!
記事の内容
- 臨床工学技士が「いらない」と言われる理由
- 臨床工学技士が必要な理由
記事の信頼性
- 臨床工学技士として、総合病院に勤務中。
この記事を書いている僕は、社会人3年目の臨床工学技士です。
今回は、『臨床工学技士はいらない?将来性や需要はあるの?』というテーマで、解説していきます。
私自身、臨床工学技士として毎日働いている中で、「臨床工学技士って本当に必要なの?」と感じる場面に直面することがあります。
特に、医療の現場では私たちの役割が目立ちにくく、「いらないのでは?」と思われがちです。
しかし、私自身はこの仕事にやりがいを感じており、将来性も十分にあると信じています。
今回は、臨床工学技士が「いらない」と言われる理由と、それでもなお必要な理由について、実際の経験を交えて解説したいと思います。
前置きはさておきですね。
では、いきましょう( ゚д゚)
臨床工学技士が「いらない」と言われる理由
理由は大きく3つあります。
- 独占業務がない
- 病院内にいなくても問題ない
- 病院内の立場が弱い
それでは、順に詳しく解説していきます!
独占業務がない
結論、臨床工学技士には「独占業務」が存在しません。
この「独占業務」がないことが、よく「いらない」と言われる理由の一つです。
必要な資格がないと、特定の医療行為(業務)を行えないことです。
例えば、レントゲン撮影は「放射線技師」か「医師」のみ行えます。看護師は出来ません。
臨床工学技士しか行えない医療行為(業務)はありません。
つまり、他の職種(特に看護師)でも対応可能なため、代替されやすいという意見が出てくるのです。
確かに、医療機器は医師や看護師が操作できるようになってきており、私たちが担当する場面が少なくなっていると感じることもあります。
透析では、看護師がコンソールの操作ができると思います。
しかし、これは臨床工学技士の本質的な役割を正確に理解していない人たちによる誤解です。
臨床工学技士が求められるのは、医療機器やシステムの管理・トラブルが発生した時に対処できるかが重要だと考えています。
病院内にいなくても問題ない
結論、臨床工学技士を雇っていない病院もあります。
特に、小規模な病院やクリニックでは、臨床工学技士が必要ないケースが多いです。
上記等の理由で、臨床工学技士を必要としていない病院は多いです。
悲しいですね。ですが、これが現実です。そのため、就職先の病院も限られてきます。
反対に、臨床工学技士が求められる病院は、急性期病院や透析クリニックなどです。
このように、病院によって必要・不要と区別されることが問題です。
病院内の立場が弱い
結論、病院内での立場が弱いです。
- 病院内の人数は少ない。
- 雑用で呼ばれることも。
- 世間、病院内での認知度が低い。
特に、看護師と関わる中で感じることが多いです。
実際、私も新卒で入職した当初は、病院内での立場が弱いと感じることがありました。
病棟で医療機器のトラブル対処に行った際に、それとは関係のない別の仕事を押し付けられたこともあります。新人だったからかもしれないですが、、、
また、臨床工学技士は他の医療系資格に比べて、歴史が浅いです。(1987年に臨床工学技士法ができ、30数年しかまだ経っていません。)
医師や看護師が中心となって動く現場で、臨床工学技士の存在意義を確立していく必要があります。
臨床工学技士が必要な理由
臨床工学技士が必要な理由は下記の通りです。
- 透析は無くならない。
- タスクシフトで業務が増えた。
- 医療機器のトラブル対応。
では、順に詳しく解説していきます!
透析は無くならない
結論、人工透析患者数は34万7,474人(2022年12月31日時点)います。
また、2022年まで透析患者は増加傾向でした。
多くの臨床工学技士が透析業務に携わります。臨床工学技士と透析業務は、切っても切り離せません。
透析患者がいなくならない限り、臨床工学技士の需要はあるでしょう。
タスクシフトで業務が増えた
結論、業務の幅が広がりました。
医師や看護師の業務の一部を他職種に移管し、負担を軽減・共有することです。
タスクシフトで増えた業務内容はコチラです。
- 血液透析での動脈表在化と表在静脈への穿刺
- 静脈路の確保
(オペ室や集中治療室での「シリンジポンプ」「輸液ポンプ」の接続にかぎる) - 身体へ電気的刺激を送るための装置の操作 (医師と協働して行う)
- 内視鏡用ビデオカメラの操作 (内視鏡用ビデオカメラ挿入は医師)
臨床工学技士が活躍する分野(透析・オペ室・ICU・心カテ・内視鏡etc)で、できることが増えましたね。
医療機器のトラブル対応
結論、医療機器のトラブル対応は他の職種には難しいです。
それは、医療機器の原理や構造を学んでいないからです。
例えば、医師は大学で病気の仕組みや進行を学んでいるので、患者の既往歴や症状をもとに病気を推測し、診断を行えます。
同様に、臨床工学技士も大学で医療機器の原理や構造を学んでいるので、医療機器のトラブル内容をもとに原因を推測し、対応しています。
・医師 → 患者
・臨床工学技士 → 医療機器
つまり、医療機器について深く知っている臨床工学技士でないと、トラブル対応は難しいです。
もちろん、臨床工学技士の誰もが全てのトラブルを解決できるとは限りません。医療機器の理解と経験が重要です。
まずは、医療機器の理解を深めるために勉強していきましょう!
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まとめ
今回は、『臨床工学技士はいらない?将来性や需要はあるの?』というテーマで、解説していきました。
- 独占業務がない
- 病院内にいなくても問題ない
- 医療機器のトラブル対応。
結論、臨床工学技士は独占業務がないので法律上、病院内にいなくても回ります。
ですが、医療機器のトラブル対応や今後の発展を考えた時に、臨床工学技士の必要性は十分にあります。
臨床工学技士を目指す学生さんは、めげずに国家試験の勉強を頑張って下さい!
というわけで、今回は以上です!
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