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透析患者との関わり方【これから透析医療に関わる臨床工学技士向け】

悩む人
悩む人

春から透析クリニックで働きます。透析患者さんとどのように関わっていけば良いか分かりません。透析患者さんとの関わり方や意識することを教えて欲しいです。

こんな疑問を解決します。

まず、この記事の結論です。

  • 透析患者に病気だと思わせず、前向きに気持ちにさせる
  • 患者様の変化が起きる前に気づく
  • 制限や否定をしすぎない

記事の内容

  • 透析患者様との個別の目標を立てる
  • 患者様の変化に気づく
  • ストレスを与えない関わり方

この記事を書いている僕は、社会人3年目の臨床工学技士です。

今回は、『透析患者との関わり方【これから透析医療に関わる臨床工学技士向け】』というテーマで、解説していきます。

この記事では、看護的な側面から臨床工学技士として、どのように透析患者様と関わっていくかを解説しました。

臨床工学技士養成校では、透析といっても機械的・工学的な面を多く学び、看護的な考えはあまり持たずに入職することが多いと思います。←実際に、僕はどのように患者さんと関われば良いか分かりませんでした。

この記事では、透析施設で4年間働いた経験を活かして、僕が新人の時に知っておきたかった透析患者様と関わる時の考え方やコツなどを解説していきたいと思います。

前置きはさておきですね。

では、いきましょう( ゚д゚)

目次

透析患者様の個別の目標を立てる

結論、透析患者様と関わる中で最も重要なことは、患者様ごとに目標を決めることです。

例えば、40歳の患者様が透析を導入することになった場合、どのような目標を立てるべきでしょうか?

健常人の平均寿命は、80歳前後です。病気や事故等に気をつければ、あと40年以上は元気に生きていけるはずです。

つまり、健常人と同じように元気に生活できること合併症を増やさないこと

この2つを患者様が亡くなるまで達成させることが、僕たち透析スタッフ(臨床工学技士)の目標になります。

そして、患者様に「透析をやってるからって、何もできないわけじゃないんだ!」という前向きな考えに持っていくことが重要です。

また、他の年齢の患者様だとこうなります。

  • 30歳 健常人と同じように生活できる。合併症を増やさない。
  • 80歳 健常人と同じように生活できる。これ以上の合併症を増やさない。
  • 90歳 しんどくない透析。好きなものを食べてもらう。溢水にしない。

他にも、患者様個別の目標を立てる上で、考えることがあります。

原因疾患による影響

結論、透析導入されるまで期間によっても関わり方が異なります。

透析を始める原因疾患の割合はコチラです。

多くの原因疾患は、糖尿病などの慢性疾患です。ですが、中には、急性糸球体腎炎などの急性疾患で導入される方もいます。

糖尿病などの原疾患患者は透析導入されるまでに、食事指導や服薬などで腎不全の進行を遅らせています。

つまり、透析が導入されるまでに時間もあり、「将来透析になるかもなぁ」と覚悟を決めている方が多いです。

ですが、急激に腎不全が進行し、透析導入となった患者様は、受け入れる時間も少なく「透析をすることになります。

つまり、透析を導入しても受け入れるまでに時間がかかり、比較的に後ろ向きな考えな方が多い印象です。

また、服薬コンプライアンスなども原因疾患が慢性疾患の患者様の方が、比較的に高い印象です。

慢性疾患
  • ある程度、透析を受け入れる時間がある。
  • 服薬コンプライアンスが高い。
急性疾患
  • 透析を受け入れるまでに時間がかかる。
  • 比較的、服薬コンプライアンスが低い。

透析を導入されてからの影響

結論、透析導入すぐの患者、年齢が若い患者は手厚くサポートしていく必要があります。

手厚くサポートする理由は、不安が強いからです。

どの患者も同じように接していくべきかもしれませんが、僕は患者によって関わり方を変えていくべきだと考えています。

例えば、20代で透析を始める患者様と、80代で透析を始める患者様では、客観的にみて20代の患者様の方が不安が強そうですよね?

つまり、透析導入すぐの患者、年齢が若い患者は、手厚くサポートし不安を少しでも取り除く必要があります。

また、単身者かどうかも気にする項目です。単身者は、食事がコンビニ弁当であったり、不規則だったりします。透析患者にとって、食事はとても重要なので、会話の中で聞いていく必要があります。

病気だと思わせないこと

結論、透析=病気だと思わせないことが重要です。

透析をすることは、悪いことなのでしょうか?

例えば、片腕がない方や目が見えない方は、病気なのでしょうか?

それは、病気ではなく、不自由なだけだと思います。つまり、病気ではなく、不自由なだけという認識を持つ必要があります。

透析患者様は、「透析をしているから何もできない…」と考える患者様も多いです。

このような患者様には、「透析患者様であっても、旅行もできますし、運動もできますよ」と前向きな気持ちにもっていく必要があります。

そして、「不自由だけど、健常人と同じような生活ができるんだ」という考えになってもらえると、透析スタッフも患者様も、楽になります。

このような、考えになってもらうためには、患者様の好きなこと(趣味など)を諦めずに可能な範囲で行ってもらうことです。つまり、目標を決めてもらうということです。

患者様の変化に気づく

結論、透析患者様と関わる中で、患者様の変化に気づいてあげることが重要です。

これは、「会話」や「透析記録」、「検査データ」から変化に気づきましょう。

どれも欠けてはダメです。

検査データから変化に気づく

結論、長期間(半年や1年)の時系列で検査データを見ていきましょう。

時系列的にデータを見ていくと、変化があるはずです。

例えば、下記のグラフでは、BUNとP、Ca、K、Albを時系列的に記載したものです。

このグラフを見て、何か気づきますか?

1月と5月を比べると、BUNとKは上がり、P、Alb、Caは下がっています。

この検査だけで見ると、異化作用が生じているのか、間食などのお菓子を食べすぎたのかなど考えることがあります。

透析記録から変化に気づく

結論、コチラも長期間(半年や1年)の時系列で記録を見ていきましょう。

先ほどの、検査データの患者の体重変化です。

体重変化では、体重増加が減ってきている印象にあります。

つまり、これは食事が食べれなくなってきていると考えられます。

体重増加が減ってきているから、DWを下げる考えになります。

ですが、なぜご飯が食べれなくなったのか、患者さんとの会話の中で探っていく必要があります。

会話から変化に気づく

結論、会話の中で聞きたい情報を拾っていくことが重要です。

会話をする中で意識して、聞くポイントは食事内容や運動頻度などです。

ですが、直球に聞いても、あまり喋ってくれません。普段の会話で信頼関係を気づいていくことが重要です。

例えば、あまり喋ったことのない人に、「自分の気にしていること」を喋りたくないですよね。

透析患者様は、栄養指導や食事管理で、口うるさく医療者から言われます。これが、ストレスになりやすいです。

そのため、「昨日何食べました?」と聞いても、曖昧に答える患者さまも多いです。

そうならないためにも、患者様との日頃のコミュニケーションは重要です。

また、透析患者様は、かゆみを訴えることが多いです。ですが、患者様から痒みを訴えるときは、目に見えて、皮膚に赤みがあることが多いです。

つまり、スタッフから患者様に症状を聞いていくことが重要です。そして、変化が起きる前に対処していくことが、症状を悪化させないことになります。

ストレスを与えない関わり方

結論、食事制限や透析で拘束される時間などで透析患者様はストレスを感じやすいです。

透析患者様がストレスを感じやすい要因
  • 食事管理・水分制限
  • 通院や透析による拘束感
  • 睡眠障害
  • 社会での生活の減少
  • 家庭内での役割の減少
  • 将来への不安

このように透析患者様はストレスを感じやすいです。

否定しすぎない

結論、あれもこれもダメと伝えないことです。

誰しも、否定されると嫌な気持ちになります。

透析患者様は、食事管理や水分制限をしなければならず、検査データでKやPなどが高ければ、注意する必要があります。また、除水量に関しても多すぎると溢水の危険性や心臓への負担が大きいことを指導しなければなりません。

そのため、透析スタッフは、「もう少しお水を飲む量を減らしましょう」や「果物を控えましょう」などと患者様に指導していく必要があります。

ですが、「あれもこれもダメ」と否定していくと、患者様はストレスが溜まり、段々と固地になり、言うことを聞いてくれないようになります。

制限させすぎない

結論、食事制限を過度にしすぎないことです。

もちろん、患者様によっては、しっかりと伝えないと分からない患者様もいます。

食事制限を過度にしすぎることで、食事の楽しみが減ってしまいます。また、食事量が減ってしまうと、透析の生命予後は低下していきます。

そのため、なぜできていないのか原因を探って、一緒に考えていくことが重要です。そして、妥協案を見つけていくことで、患者様との信頼関係も構築されていきます。

例えば、バナナが好きな患者様であれば、「毎日バナナ1本は、Kが高くなって心臓が止まってしまう可能性があるので、1日半分にして透析をする日の朝(午前透析の患者様)に食べましょう」などと伝えます。

もし、患者様に「食べるな」と言ってしまうと、食事の楽しみを奪ってしまいストレスが溜まります。

つまり、患者様と会話することで妥協案を見つけ、食べ方の工夫など、制限しすぎないことで患者様のストレスを減らすことができます。

まとめ

今回は、『透析患者との関わり方【これから透析医療に関わる臨床工学技士向け】』というテーマで、解説していきました。

今回の記事の結論は、下記の通りです。

  • 透析患者に病気だと思わせず、前向きに気持ちにさせる。
  • 患者様の変化が起きる前に気づく。
  • 制限や否定をしすぎない。

透析患者様と関わっていくのは、難しいです。

透析患者様に関わらず、色んな考えの人間がいます。「優しい人」「せっかちな人」「クレーマー気質な人」

このような患者様とも関わっていかなければなりません。

また、自分の言葉の言い方や伝え方で、患者様の気持ちを前向きにさせることも可能です。

透析医療に関わっていく方にとって、この記事が少しでも役に立てば幸いです!

というわけで、今回は以上です!

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