
臨床工学技士って「辞めたい」人が多いの??世間の臨床工学技士がどのくらい辞めているのか知りたい!
こんな疑問を解決します!
臨床工学技士として働く中で、離職を考えることはありませんか?これは、人間関係やストレス、労働環境など、さまざまな要因が影響しています。
本記事では、臨床工学技士の離職率や主な退職理由、転職先の実態について解説します。
臨床工学技士の離職率の現状
臨床工学技士の離職率の現状はどのくらいでしょうか??



ちまたでは、臨床工学技士の離職率は10%前後との噂です。
しかし、実際に臨床工学技士の離職率を示しているデータはなかったので、個人的に推定してみました!
日本臨床工学技士会のデータから退職率を推定してみた
推定した結果、退職率は12.9%でした!
日本臨床工学技士会では、1年間(2022年4月1日〜2023年3月31日の間)の退職者の割合は41.1%とされています。
(業務実態報告書に回答した施設のうち、1人以上退職者がいた施設の割合)


上記のデータから、おおよそ1年間で3933人の方が退職されました。(全国推定)
また、全国で臨床工学技士として働いている人数は、30,409人(2022年時点)です。(引用:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」)
つまり、退職率は推定で12.9%になります。



推定ですが、思ったよりも多い結果となりました。
他職種との比較
看護師と比較してみました!
職種・産業 | 離職率(%) | 備考 |
---|---|---|
臨床工学技士 | 12.9 | 日本臨床工学技士会の業務実態報告書より推定。 |
看護師(正規雇用) | 11.8 | 日本看護協会「2023年病院看護実態調査」より。 |
└ 新卒看護師 | 10.2 | 同上。 |
└ 既卒看護師 | 16.6 | 同上。 |
医療・福祉業界全体 | 15.3 | 厚生労働省「令和4年雇用動向調査」より。 |



看護師(正規雇用)よりも、離職率は高い結果となりました…
つまり、臨床工学技士の離職率は低くはないと言えます。
他職種の中で最も臨床工学技士が離職を検討している



2025年の最新情報によると、医療従事者の8割近くが離職を検討しているとのデータがあります。
そして、医療従事者の各職種の中で臨床工学技士が最も「今の職場を辞めたい」人が多いそうです!
不満を感じている医療従事者の職種別割合は、臨床工学技士が74%、次いで看護師73%、助産師71%と続く。
引用:医療従事者の8割近くが“離職”検討…「賃金に不満」「専門資格取得でも仕事が増えるだけ」 自治労が独自調査報告/Yahoo!ニュース
この理由については、「タスクシフトシェア」などで増えた業務に対しての給料が上がっていないことが理由だと解説されています!
つまり、多くの臨床工学技士は、「辞めたい」「転職」したいと考えています!



臨床工学技士養成校も、定員割れや学部の廃止などが生じているそうです…
また、このような現状を受けて、臨床工学会(連盟)も待遇面・給料面を上げようとデモ活動を行っています!
臨床工学技士全体の待遇面・給与面が良くなるとありがたいですね!
しかし、人任せではなく、自分の力で給料や待遇を変える努力も重要です!



資格取得や学会発表などの自己研鑽、転職などで現状を変えることは可能です!!
臨床工学技士が離職する主な理由


臨床工学技士が離職する理由は、次の通りです。
- 給料が安い
- 人間関係が悪い
- ストレス・労働環境が悪い
- 将来・キャリアの不安
給与が安い
臨床工学技士の平均年収は約350〜450万円とされており、地域や勤務先の規模によっては300万円台というケースもあります。
しかし、業務の専門性や労働時間を考慮すると、給与に不満を感じる人も多いと重います…
特に若手のうちは給与水準が抑えられがちで、夜勤やオンコールなどの負担がある割には見合わないと感じることも多いです。
また、昇給のペースも遅めな傾向があり、「生活が安定しない」「将来の家計に不安がある」など将来への不安から離職を考えることもあります。


人間関係が悪い
臨床工学技士に限らず、人間関係の悪さは離職の大きな原因のひとつです!!
臨床工学技士は、医師や看護師など他の医療スタッフと連携して働くため、職場内の人間関係がとても重要になります。
- 「うまくコミュニケーションが取れない…」
- 「ピリピリした職場の雰囲気がしんどい…」
と感じている方は要注意です!
ストレス・労働環境が悪い
臨床工学技士は、早朝出勤・夜勤・オンコール対応が日常的です。
緊急時には深夜でも呼び出され、急な対応を求められるため、生活のリズムを保ちづらく、プライベートとの両立が難しいと感じる人も多いです。
職場によっては慢性的な人手不足で業務が過多になり、他の医療職との板挟みにストレスを感じる人もいます。
将来・キャリアの不安
臨床工学技士は比較的新しい国家資格であるため、医師や看護師と比べてキャリアパスが確立されていないケースが多いです。
「経験年数を重ねた後に、どうなれるのか」が見えにくい職場も少なくありません。
このように、キャリアパスが明確でない職場では、将来への不安から離職を考えることもあります。
「経験年数を重ねた後に、どうなれるのか」が見えにくい職場も少なくありません。
離職後の転職先とその実態


臨床工学技士が離職した後も、その専門性を活かして様々な道を選ぶことができます。
ここでは、主な転職先とその実態について紹介します。
他の施設へ転職
最も一般的なケースが他の病院やクリニックなどの医療施設への転職です!
多くの方が、引き続き臨床工学技士としてのキャリアを継続しています。
- 職場の人間関係や労働環境の不満
- スキルアップ
- より高い報酬や福利厚生のある職場への移動



私自身も臨床工学技士として他施設に転職した経験があります!


業務内容やチーム体制は施設によって大きく異なりますが、今までの経験を活かしつつ新たなスキルを学べる環境があることで、再スタートがしやすかったです。
また、転職を通じて自分に合った働き方や専門分野を見つけられたという声も聞きます。
医療機器メーカーへの転職
臨床工学技士の知識や経験を活かして、医療機器メーカーの技術職や営業職に転職するケースがあります!
臨床工学技士の知識や経験は、医療機器メーカーの技術職や営業職でも重宝されます。
- 医療機器の開発や品質管理
- 製品の導入支援、保守・トラブル対応
- 医療従事者への製品説明や勉強会サポート
医療機器メーカーでは、臨床経験のある臨床工学技士は、メーカー側から高く評価されやすいそうです。
理由は、製品説明、トラブル対応、現場での実用性などを理解しているからだそうです!!



僕の友人も「臨床経験を積んだらメーカーへ行きたい」と話しており、実際にそのようなキャリアチェンジをした方も多いです。
IT業界への転職
医療機器のデジタル化が進む中で、IT業界への転職も選択肢の一つです。
医療情報システムの開発やサポート業務など、臨床工学技士のスキルを活かせる分野があります!
さらに、現在は「医療DX(デジタル化)」が進められていて、医療の現場全体でITの導入が広がっています。
日本臨床工学技士会も、今後のためにIT関連の資格を取ることをすすめており、臨床工学技士が医療とITの橋渡し役として活躍していくことが期待されています!
他の医療職種への転職
臨床工学技士から別の医療職種(看護師、放射線技師、臨床検査技師など)に転職するケースもありますが、これはハードルが高めです。
- 新しい資格の取得に時間や学費がかかる
- 働きながら資格取得を目指すのは負担が大きい
ただし、もともとダブルライセンスを持っている方であれば、その職種にシフトするという選択肢もあります。
臨床工学技士として長く働くためのポイント


毎日、小さな目標を立てよう!
日々の業務に目標を設定し、達成感を得ることで、仕事のやる気がグッと上がります!
- 苦手な患者さんの穿刺を成功させる
- 1日1つ、新しい知識を覚える
ポイントは、小さくてOKなこと。
無理なく達成できる目標を積み重ねることで、「自分、成長してるかも!」と感じられるようになります。
目標を書き出して目に見える場所に置いたり、達成したらチェックを入れるなどして「成長を実感できる仕組み」を作ると効果的です!
患者さん&スタッフとの信頼関係を育てよう!
患者さんやスタッフとの信頼関係が深まると、日々の業務にやりがいや安心感が生まれます。
また、人間関係が良好だと、仕事のストレスもグッと減ります。
👨⚕️ 患者さんとの信頼構築
積極的に声をかけ、患者さんの不安を取り除くよう努めることで信頼が高まり「ありがとう」の言葉をもらえる機会が増えます。
例えば、「透析中の体調はいかがですか?」と小さな声かけを積み重ねるだけでも、患者さんの心象は変わります。
🧑🤝🧑 スタッフとの信頼構築
相談事や意見交換を通じて、同僚や上司と建設的な関係を築きましょう。
小さな挨拶や感謝の言葉も、良い関係の第一歩になります。
- 挨拶や感謝の一言を大切に
- 悩みごとや不安は早めに相談
信頼関係が深まると、困ったときに手を貸してもらえることも多く、働きやすいです!
スキルアップで“自分の価値”を高めよう!
学び続けることで、仕事の幅もやりがいもどんどん広がり、自信にもつながります。
- 「専門・認定臨床工学技士」や「透析技術認定士」などの資格取得
- 学会や勉強会で最新の知識を吸収
- 経験をまとめて発表や論文に挑戦!
「これが得意です!」と言える分野があると、自信にもつながりますし、転職やキャリアアップにも有利です!
また、職場内での役割拡大や、新しい業務へのチャレンジなど、学び続ける姿勢がモチベーション維持にもつながるでしょう。
ワークライフバランスを整えよう!
臨床工学技士の業務は早朝や夜間、休日の対応もあり、時間的拘束が長くなりがちです!
特に緊急対応が多い施設では、オンコールや夜勤が精神的・肉体的な負担となり、離職を招く要因にもなります。
だからこそ、仕事と生活のバランス調整が大切です。
プライベート時間を充実させることで、仕事へのリフレッシュ効果も期待できます。
家庭や趣味、自己成長の時間を持つことが、結果的に仕事のパフォーマンス向上につながるため、自分自身の生活リズムと働き方を見直すことも検討してみましょう。
- 休みの日は趣味や家族との時間を大切に!
- 有給はできる限り積極的に使う
- 残業の削減を上司と相談



有給の取得や残業を減らすことは、中々難しいかも知れませんが、できる範囲内で負担を減らしていきましょう!
心と体にゆとりがあると、仕事への集中力や意欲も自然と戻ってきますよ😊
まとめ


今回は、臨床工学技士の離職率について解説しました!!
臨床工学技士の離職率は12.9%です。そして、「給与面」「待遇面」から離職を検討されている臨床工学技士も少なくありません。
離職後の転職先としては、次の通りです。
- 他の施設
- 医療機器メーカー
- IT業界
- 他の医療職種
この記事をきっかけに、自分のキャリアを客観的に見直し、より良い働き方を見つけるヒントになれば幸いです。
臨床工学技士のオススメの転職サイトについては、下記で詳しく解説しています。


自分らしい働き方を見つけて、臨床工学技士として充実した毎日を送ってください。
今回は以上です!
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