
腎臓リハビリテーション指導士ってどんな試験なの??
試験内容や難易度、試験対策について教えて欲しい!
こんな疑問を解決します。
まず、この記事の結論です。
- 腎臓の基礎知識から運動療法・食事療法など幅広く身に付く!
- 受験合格率は、おおよそ86%!
- 公式ガイドライン・参考書を活用する
本記事では、腎臓リハビリテーション指導士の概要や試験内容、難易度、勉強方法などについて詳しく解説します!!
腎臓リハビリテーション指導士試験に合格することは簡単ではありません!ですが、合格することでスキルアップに繋がります!
2018年に認定制度が発足したばかりの新しい認定資格ですが、腎臓リハビリの領域は今後ますます発展していくと考えられます!
「これから腎リハを学んでいきたい」「腎リハの知識・技術を知りたい」という方に、オススメの資格です!
これから詳しく解説していくので、一緒に見ていきましょう!!!
2025年度の試験日程は、現在のところ未発表です。
毎年3月頃に日本腎臓リハビリテーション学会で情報が公開されています。
※実際に受験される際は、必ず日本腎臓リハビリテーション学会で詳細を確認して申し込んで下さい!
>>詳細はこちら
腎臓リハビリテーション指導士とは??
腎臓リハビリテーション指導士は、日本腎臓リハビリテーション学会によって運営されている認定資格です。
当学会では、次のように述べられています。
認定制度成立の経緯と認定趣旨について
腎臓リハビリテーションは、腎疾患や透析医療に基づく身体的ならびに精神的影響を軽減させるとともに、症状を調整し、生命予後を改善して、心理社会的ならびに職業的 な状況を改善することを目的とした、運動療法、食事療法と水分管理、薬物療法、教育、 および精神・心理的サポートを行う、長期にわたる包括的なプログラムです。
日本の腎臓リハビリテーションに携わる医師、医療従事者を対象として包括的腎臓リハビリテーションの確立、腎臓リハビリテーション関連各分野の学術水準向上を図り、 これらによる腎臓障害患者の生活の質(QOL)向上を通じて日本の医療・福祉の向上に 寄与することを目的として、日本腎臓リハビリテーション学会が 2011 年に設立されました。
腎臓リハビリテーションは単に運動療法のみを行っていれば事足りるものではなく、包括的リハビリテーションを目指すべきであり、そのためには、医療専門職間の連携や共同作業(チーム医療)が必要となります。また、チームが円滑に機能するためには、腎臓リハビリテーションに関する共通認識と知識や用語の共有化、定期的なカンファレ ンスやミーティングなども行う必要があります。このような状況の中、日本腎臓リハビ リテーション学会は、腎臓リハビリテーション指導士の認定制度を 2018 年に発足させ ました。
つまり、簡単にまとめると次の通りです。
腎臓リハビリテーションが単なる運動療法ではなく、多職種連携による包括的な取り組みである。
認定試験でも、腎臓の病態整理や薬物療法、食事療法など幅広く問われる試験です。
主に受験される方
公式学会では、2024年度試験を受験された方の職種内訳は次のようになっています。
受験者の職種の内訳は、医師31名、看護師24名、理学療法士85名、作業療法士8名、言語聴覚士0名、臨床検査技師0名、栄養士(管理栄養士)2名、薬剤師0名、臨床工学技士5名、臨床心理士(公認心理師)0名、および健康運動指導士3名でした。
主な受験者層
腎臓リハビリテーション指導士の資格は、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士が主に受験します。
医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士
特に理学療法士の受験者が最も多いのが特徴です。これは、施設において腎リハ(運動療法)を実施するのが理学療法士であることが多いためです。
透析時運動指導等加算の新設
2022年度の診療報酬制度改定により、透析患者に運動指導を行った場合に算定できる「透析時運動指導等加算」が新設されました。
この加算で指導可能な職種は、医師、看護師、理学療法士、作業療法士の4職種のみです。
さらに、指導を行うには「腎臓リハビリテーションガイドライン講習会」の受講、または「腎臓リハビリテーション指導士」資格の取得が必要です。
この加算の導入により、制度に対応するために資格を取得する医療従事者が増えていると考えられます。
受験資格
受験資格は、下記のとおりです。
1) 本学会学術集会において主演者あるいは座長としての経験があること。
2) 、1) を満たさない場合は、腎臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上あること。
3) 次のいずれかの有資格者であること(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、栄養士(管理栄養士)、薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士(公認心理師)、健康運動指導士)
4) 2年度以上継続して正会員歴があること。
コチラになります。
ちなみに、1)本学会学術集会において主演者あるいは座長としての経験がない場合であっても、腎臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上あれば、受験することができます。
腎臓リハビリテーション指導の実地経験が1年以上あること
1)本学会学術集会において主演者あるいは座長としての経験がない場合、上記を満たす必要があります。
この実地経験を証明するものとして、自験例報告書を10症例提出することが求められています!!
詳しくは、公式HPでご確認下さい!
>>一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会
2年以上正会員歴があること
最低でも受験の2年前から学会へ入会する必要があります!
日本腎臓リハビリテーション学会の会員には、会員区分があります。
ですが、正会員でなければ受験することはできません!
会員区分 | 職種 | 年会費 |
---|---|---|
正会員 | 医師・コメディカル | 10,000円 |
施設会員 | 構成員のうち、1名以上は正会員 | 20,000円 |
賛助会員 | 30,000円 |
コチラから入会ページに移動できます。
>>一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会/入退会案内/入会案内
試験日・試験会場・受験料
※2024年度の試験は終了しました!
2025年度の試験日程は、現在のところ未発表です。
毎年3月頃に日本腎臓リハビリテーション学会で情報が公開されています。
試験日 :2024年10月19日(土)
試験時間:16:00~17:00
会 場 :CBT(Computer Based Testing:コンピュータによる会場型試験)
受験料:15,000 円
CBT(Computer Based Testing:コンピュータによる会場型試験)なので地方の方でも、受験しやすいと考えられます。
また、具体的な受験方法は、試験の受験が認められた後に連絡があるそうです!
試験スケジュール
試験の申し込みから合格発表までをまとめたものがコチラ💁
試験の2年前から入会
2025年入会→2027年度試験に受験可
CBT試験(択一・多肢選択式)
学会ホームページまたは、CBTマイページで発表



試験に合格する確率を上げるには、早めに受験するか決めた方が良いね!
腎臓リハビリテーション指導士の難易度・合格率とは
腎臓リハビリテーション指導士の合格率は、合格発表後にHPにて結果が発表されています。
合格率・難易度
腎臓リハビリテーション指導士の合格率は86.7%です。
受験年度 | 合格者(人) | 受験者(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|
2024 | 137 | 158 | 86.7 |
過去の合格率は分かりませんが、同じくらいだと推測されます。
以下、公式HPから引用です。
受験応募者は165名で、受験資格を満たさない、症例記載が不適切、辞退などを除いた163名を受験許可とし、158名が受験しました。
受験者の職種の内訳は、医師31名、看護師24名、理学療法士85名、作業療法士8名、言語聴覚士0名、臨床検査技師0名、栄養士(管理栄養士)2名、薬剤師0名、臨床工学技士5名、臨床心理士(公認心理師)0名、および健康運動指導士3名でした。
試験は、50問の設問に対し、60分間の制限時間内に五者択一(一部2問選択)の方式で行いました。得点分布は72.3±11.2点(平均値±標準偏差)(最低点44~最高点98点、中央値72点)、60点以上を合格とした結果、第5回腎臓リハビリテーション指導士資格認定試験の合格者は137名で、合格率は86.7%となりました。
また、合格点は60点になりますね!
自身を持って受験するべきです!合格発表は、毎年11月頃に発表されています!
問題形式
試験の問題形式は、マークシート方式による問題50問です。
・問題形式:五者択一・択二
・試験時間:60分
・問題数:50問
問題形式のほとんどは、五者択一です。
出題範囲
出題内容は、学会HPにて以下のように公言されています。
試験内容は「腎臓リハビリテーションガイドライン」(2018、南江堂)から主に出題されるが、本ガイドラインに記載されていなくても、腎臓リハビリテーションの担当者として知っておかなければならない内容は出題される。
また、出題基準についても次の通りです!
※簡単にまとめたものなので、詳しくは公式HP(腎臓リハビリテーション指導⼠ 資格認定試験出題基準)で確認して下さい!
- 腎臓リハビリテーション総論
- CKDの病態生理・治療
- CKDの定義・診断・重症度分類
- 腎代替療法
- 運動療法
- 食事療法
- 薬物療法
- 看護ケア・患者教育・日常生活支援
- 認知・精神・心理的サポート
- 運営・管理
備考)フットケアを含む
結論、主に、「腎臓リハビリテーションガイドライン」(2018、南江堂)から出題されるそうです!
このガイドラインは、日本腎臓リハビリテーション学会で無料ダウンロードが可能です!
ダウンロードページはコチラ
>>一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会/腎臓リハビリテーションガイドライン
書籍で見たい方は、発売もされています。
後程、「公式ガイドライン」のレビューも解説します。



まずは、ガイドラインを知ることだね!
腎臓リハビリテーション指導士の勉強法
公式学会では、腎臓リハビリテーション指導士の勉強法について次のように回答されています。
Q.試験勉強するにあたり、適した教材があれば教えてください。
A.まず腎臓リハビリテーション指導士認定試験・出題基準をご確認ください。そのうえで、日本腎臓リハビリテーション学会・編集「腎臓リハビリテーションガイドライン」(南江堂)に目をお通しください。
また、参考とする書籍として、上月正博・編著「腎臓リハビリテーション 第2版」(医歯薬出版)、ならびに山縣邦弘・他編著「腎臓リハビリテーション Q&A」(医歯薬出版)などがあります。
つまり、次の方法で学習を始めるのが効率の良い学習方法といえます。
- 出題基準を確認
- 腎臓リハビリテーションガイドラインに目を通す。
- 理解が難しければ、参考テキストを活用する。
- 自作問題を解いてアウトプットする。
出題基準を確認
※簡単にまとめたものはコチラ💁
詳しくは公式HP(腎臓リハビリテーション指導⼠ 資格認定試験出題基準)で確認して下さい!
- 腎臓リハビリテーション総論
- CKDの病態生理・治療
- CKDの定義・診断・重症度分類
- 腎代替療法
- 運動療法
- 食事療法
- 薬物療法
- 看護ケア・患者教育・日常生活支援
- 認知・精神・心理的サポート
- 運営・管理
備考)フットケアを含む



まずは、どんなものが出題されるのか知りましょう!
腎臓リハビリテーションガイドラインに目を通す
ガイドラインは、日本腎臓リハビリテーション学会から無料ダウンロードするか、「腎臓リハビリテーションガイドライン」(2018、南江堂)で購入して下さい。
ダウンロードページはコチラ💁
>>一般社団法人 日本腎臓リハビリテーション学会/腎臓リハビリテーションガイドライン
腎臓リハビリテーションガイドライン
まずは、見てみましょう!
80ページ近くありますが、ざっと目を通してみましょう!
参考テキストを活用する。
オススメの参考テキストはコチラです!
- 実践!腎臓リハビリテーション入門
- 腎臓リハビリテーション Q&A
- 腎臓リハビリテーション 第2版
また、公式学会では、「腎臓リハビリテーション 第2版」、「腎臓リハビリテーション Q&A」が参考テキストとして挙げられています!
ガイドラインを読んでみて理解が難しそうであれば、参考テキストを活用するのが良いです。



個人的には活用するべきだと思います。
実践!腎臓リハビリテーション入門
・腎リハをこれから学ぶ初心者向け!
・イラストが分かりやすい!
他の方のレビューはコチラ💁



かなり初心者向けです。
腎臓リハビリテーション Q&A
・腎リハの基礎から学習できる!
・Q&Aの質問形式で分かりやすい!
他の方のレビューはコチラ💁
腎リハについて、分かりやすいです
まず、まだ発足して間もない腎リハ指導士制度についての背景が詳しく述べられています。「腎リハ指導士」とはどのような資格なのか、何を目指すべきなのかを改めて示してくれるテキストです。
その他、コメディカルへ腎リハを指導する立場になった時に、どのように説明すればよいのかがQ&Aの形式で読みやすくまとめられています。もちろん、これ一冊で完全に理解できる分野ではないですが腎リハ指導士有資格者やこれから資格取得に挑む方へのテキストと申し分ない内容です。
腎臓リハビリテーション 第2版
・最新の関連ガイドラインを網羅・反映した実践書!
・腎臓病の基礎知識から腎臓リハビリテーションの実際までを解説
・腎臓リハビリテーション指導士のテキストとしても活用できる
他の方のレビューはコチラ💁
待望の第2版です!
待望の第2版がでました! 腎臓リハビリテーションガイドライン2018など最新の情報まで紹介されています。腎臓リハビリテーションに関する成書としては世界初の本(中国語版もでているとか)の第2版であり、これを読めば世界一の腎臓リハビリテーションをマスターできると思うと興奮します。



ガイドラインをさらに深掘りしたような一冊です!
自作問題でアウトプット
知識を定着させるには、インプット(覚える)だけではいけません。アウトプット(思い出す)する必要があります。
そして、最も簡単なアウトプットは問題を解くことです!
しかし、腎臓リハビリテーション指導士試験では過去問や問題集などは発売されていません!なので、自作問題を作成することをオススメします!



どうやって自作問題を作成したら良いの??
こんな疑問を持つ方も多いと思います。
それは、ガイドラインやテキストを読む中で、「自分が試験作成者ならどんな問題を作成するか」という意識で読み進めて下さい。
この読み方で、能動的な学習が可能になり、問題作成のヒントになります!
また、一緒に試験を受験する仲間がいるのであれば、お互いに問題を出し合うのもとても良いです!
まとめ
今回は、「腎臓リハビリテーション指導士ってなに??試験内容から合格率、オススメの勉強法について徹底解説!」というテーマで解説しました!
- 腎臓の基礎知識から運動療法・食事療法など幅広く身に付く!
- 受験合格率は、おおよそ86%!
- 公式ガイドライン・参考書を活用する
本記事で、腎臓リハビリテーション指導士の試験について知ることができたでしょうか?
もし試験に受験するのか悩んでいるのであれば、私は受験することをオススメしています!
資格を取得するには時間とお金がかかります。ですが、それ以上に知識として身に付いたものを臨床の場で活かせると非常にワクワクするはずです!
まずは、試験に申し込んでみましょう!
>>腎臓リハビリテーション指導士の試験に申し込む
※正会員歴が2年以上ない方は、まずは正会員になる必要があります。
申し込みが完了したら、あとは参考書で学習するだけです!
合格を心から応援しています!!
コメント