悩むCE「臨床工学技士って、どこまでの業務ができるの?」
「やってはいけない業務ってあるの?」
「タスクシフトで業務が増えたけど、結局どこまで対応していいの?」
こんな悩みを解決します!
臨床工学技士は、生命維持管理装置の操作や医療機器の保守点検などを行う医療機器の専門職です。しかし、実際の現場では「どこまでが業務範囲なのか分かりにくい」と感じるケースも少なくありません。
もし業務範囲を超えた行為を行ってしまうと、法的リスクや医療事故。場合によっては資格剥奪や刑事責任につながる可能性もあります。



本記事では、次の3点を臨床工学技士でない方も理解できるように解説していきます。
- 臨床工学技士ができる業務
- 臨床工学技士がやってはいけない業務
- タスクシフトで追加された業務範囲
もし、業務範囲を超える仕事を任されて悩んでいる場合は、職場環境を見直すことも大切です。
臨床工学技士の働き方は病院によって大きく違うため、転職によって働きやすさが改善するケースもあります。
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まずは正しい業務範囲を理解するところから、一緒に確認していきましょう。
臨床工学技士ってなにができるの??


臨床工学技士は、生命維持装置の操作や保守点検などが業務として可能です!!
これは、臨床工学技士法にて明記されています。
(目的)
第一条 この法律は、臨床工学技士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もつて医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「生命維持管理装置」とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置をいう。
2 この法律で「臨床工学技士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作(生命維持管理装置の先端部の身体への接続又は身体からの除去であつて政令で定めるものを含む。以下同じ。)及び保守点検を行うことを業とする者をいう
これだけ見ると生命維持管理装置の操作・保守点検ができる者となっていますね!
臨床工学技士でない方はよく分からないと思うので、具体的な業務をご紹介します。
臨床工学技士の業務
日本臨床工学技士会では、臨床工学技士の主な業務として次が挙げられています。







思ったより色々あるんだね!!



そう色んなことができるよ!
あと、シャント肢であれば穿刺もできるんだ!



え!針も刺せるの!?
生命維持管理装置の操作や点検だけだと思ってた!
臨床工学技士業務指針
臨床工学技士業務指針とは、臨床工学技士の業務の詳細(どこまでできるのか)についての指針です。
詳しくはこちらから実際に見れます。>>臨床工学技士業務指針2010
この指針は、臨床工学技士の主な業務について、各業務ごとに詳しく解説しています。
また、臨床工学技士業務指針は日本臨床工学技士会が中心となって作成し、厚生労働省の通知やガイドラインを参考にして作成されたそうです!!
ですが、臨床工学技士業務指針は「臨床工学技士業務指針2010」を最後に廃止となりました(T ^ T)
廃止の理由はこちらです。
「臨床工学技士業務指針」については、臨床工学技士制度の施行当初は安全かつ適切な業務実施を確保する観点から、厚生労働省が業務指針を示す必要性は高かったと考えられるが、制度施行から 20 年以上が経過し、十分に制度が成熟した現状においては、職能団体や関係学会の自主的な取組によって、医療技術の高度化等に対応しながら適切な業務実施が確保されるべきである。こうした観点から、当該業務指針については、廃止も含め、今後の取扱いを検討すべきである。
まぁ簡単に廃止の理由を解説すると、以下の通りです。
以前は臨床工学技士制度が十分に成熟・確立できていなかったため必要だったが、現在は制度も成熟してきているから不必要とのこと。
廃止になりましたが、実際のところまだまだ臨床工学技士が行う業務に関して曖昧な点は多く、指針はあっても良かったのでは?と感じています。
また、2021年に医師から他の医療関係職種へのタスク・シフトとして、臨床工学技士の業務が拡大しました!
詳しくは、「臨床工学技士の告示研修はいくべき??申し込み方法とe-ラーニングのやり方を解説」で解説しています。


臨床工学技士が行うことのできない業務の実例
基本的には、臨床工学技士業務指針に書かれていること+タスクシフトで追加された業務以外は行うことができません。
今回は、臨床工学技士が行うことのできない業務の一例を紹介します。
- 皮膚縫合・手術などの医療行為
- 放射線撮影の実施
- 内視鏡検査の内視鏡操作



「CEにとって当たり前だ!」と感じる方も多いと思いますが、自分の身を守るためにも今一度確認しておきましょう!
皮膚縫合・手術などの医療行為
絶対にやってはいけない行為です。医師しか行えない業務です。
しかし、実際に過去に臨床工学技士が行ったケースがあります。
ペースメーカーの交換手術で皮膚縫合
2021年7月16日に行われた心臓ペースメーカーの交換手術で発生した。手術時間は約30~40分で、手術の終盤、縫合がほぼ終わった時点で医師が臨床工学技士に「少し縫合をしてみるか」と声をかけ、技士は数回針を真皮に刺そうとしたが、うまく刺入できずに断念した。同院によると、患者に実害はなかった。
医師は「タスクシフトにより、臨床工学技士も皮膚の縫合ができると勘違いしていた」と説明。「ジェネレーターの厚さによりどのくらいの傷の深さ・大きさになるかを確認してもらうなど、教育的な目的だった」と話し、「軽率なことをしてしまった」と謝罪しているという。
手術は、当該医師と臨床工学技士のほか、看護師2人と麻酔科医の計5人が担当した。技士は「医師が了承しているので問題はない」と判断。疑問に思った看護師が、手術後に看護師長に相談し、医師の上司である心臓血管外科の統括部長と話し合った上で、当該医師には「今後このようなことは行わない方が良い」との指導があった。医師はこうした行為は「今回が初めて」と説明したという。一方、同院の医療安全室には話が上がらなかった。



例え医師の指示のもとであっても、できない業務だと伝える必要性がありますね!
臨床工学技士による血管拡張手術(PTA)
【2011.12.02】
「はまなす医院」は、医師免許のない臨床工学技士が血管拡張手術(PTA)をしたとされる医師法違反事件で逮捕された金井敏美容疑者(60)を同院ホームページに「透析部長」「透析医療のベテラン」などと紹介していました。また、医院の運営法人の売上は、過去5年で約2倍に伸びていることも分かりました。押収されたカルテは同医院長の工藤謙三容疑者(65)が書いており、患者が増加する中で工藤容疑者の指示のもと金井容疑者の手術は同医院内で、常態化していたと見て調べられています。



実際にPTA治療にどこまで関わっていたのか疑問ですが、おそらく臨床工学技士1人で開始から終了までやっていたのではないかと思われます。
私も、PTAで医師の直介助をしたことがありますが、PTAの経験の浅い先生にはインデフの操作などをサポートしたこともあります。
手術やPTAなどに実際に入ってみると、自分でもできそうだなと感じる場面もあるので要注意です!臨床工学技士の業務範囲を思い出して踏みとどまることが重要ですね!
放射線撮影の実施
放射線の撮影などは、医師または放射線技師しかできません。そのため、医師の指示のもとであっても、臨床工学技士が放射線撮影を行うことは法律違反です!
そして、実際に放射線撮影を行うと、その指示した医師だけでなく臨床工学技士にも責任が問われる可能性が高いです。
自分の身は自分で守らなければなりません!
特に、個人経営のクリニックなどでは、放射線技師を雇っていない病院も多いです。そして、その病院でPTAを行うことになった場合、誰が放射線を出すのでしょうか??
医師が自分でフットペダルや無線のスイッチなどで放射線が出せるのならば問題ありませんが、その放射線を臨床工学技士が行うとなった場合、どうしますか??
「NO!!」と言える!きちんと断る勇気が大切です!!
(グレーゾーン?)内視鏡検査の内視鏡操作?
近年、臨床工学技士による内視鏡分野の拡大が進んでいます。実際にタスクシフトでは、内視鏡分野に関して次のように業務拡大がありました。
「手術室で生命維持管理装置を用いて行う鏡視下手術における体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラの保持及び手術野に対する視野を確保するための当該内視鏡用ビデオカメラの操作」
しかし、これは手術室などの外科的な内視鏡機器の操作が可能になっただけで、内視鏡検査などの手術室で生命維持管理装置を用いない内視鏡操作は行ってはいけない業務に当たると考えられます。生検などの組織採取時の鉗子の操作もできないはず…
しかし、実際には臨床工学技士による内視鏡検査での内視鏡機器の操作を行っている病院は多いはずです。「内視鏡検査の介助に臨床工学技士も入っているよ〜」とHPで紹介されている施設をよく見かけます。
実際に、私の前に勤めていた病院でも内視鏡検査に臨床工学技士が介入していました。



結論、これは法律的にははっきりと認められていないグレーゾーンだと思われます。
現時点で技士会や厚生労働省から内視鏡検査に関する通知は来ていません。そのため、内視鏡検査に関して臨床工学技士の介入・関わり方ははっきりしていません。
しかし、今後の臨床工学技士の業務の拡大や必要性を確立するためにも、臨床工学技士が介入していくべきだと思います。
ですが、もし医療事故が起こった際に、関わった臨床工学技士がどのような処分になるのか不安な面もあります。
法律を無視して業務をするとどうなる?
臨床工学技士が法律を無視して業務を行うことは、最も危険な行為の一つです!
違法な業務を行った場合、裁判で敗訴し、国家資格の剥奪に至る可能性があります。
- 訴訟問題に発展する可能性
- 医療機関全体の信用失墜
- 個人のキャリアに大きな悪影響を及ぼす可能性
しかし、実際に業務範囲を超えた依頼があった場合どのように対応する時期でしょうか?
業務範囲を超えた依頼への対応
臨床工学技士は医療機器の専門職ですが、実際の現場では機器の保守点検や他職種の業務を求められることがあります。
しかし、本来の業務範囲を逸脱した行為はなるべく避けるべきです!
- 他職種の業務を頼まれた際は、臨床工学技士の業務範囲内か確認する。
- 不明確な業務範囲については、上司や管理者と相談する。
もちろん病院によって他職種から業務を頼まれた際に、「全て断る」のか「全て引き受ける」のか違ってくると思います。
ですが、実例のように臨床工学技士の業務範囲から明らかに逸脱しているものには注意しましょう!
まとめ
今回は、臨床工学技士が行うことのできない業務について解説しました。
臨床工学技士に限らず、医療従事者は法律に基づいた業務を行う必要があります。業務範囲を超えた行為は、法的リスクだけでなく患者の安全にも関わる重大な問題です。
もし現在、次のような状況であれば、無理に我慢する必要はありません。
・臨床工学技士の業務範囲を超えた仕事を任されている
・違法に近い業務を強要されている
・断りづらい職場環境で悩んでいる
実際、臨床工学技士の職場は病院によって働き方や業務内容が大きく異なります。そのため、職場を変えるだけで働きやすさが大きく改善するケースも多いです。



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